仕事のやりがい

Vol.089
2022.10
ケアワーカー
勤続年数: 3年3ヶ月

誰かの力になれて

私は4階病棟で介護士として働いているベトナム人です。3年前に実習生として来日し、母国語ではない方をお世話するので、言いたいことが満足に伝えられなくて患者さんのお話も十分に分かりませんでした。強い口調で怒る患者さんに対応をした時非常に大変で落ち込んでしまったり、介護の仕事が嫌になることがありました。誰にも相談せず、1人で考え込んでしまって、どんどん落ち込んでしまうこともありました。そんな時に先輩や上司が「私もよくあったよ。あなたがとても頑張っている姿を見ましたよ。」と話しかけくれ、少し気持ちが楽になりました。

ある日、右麻痺の患者さんから退院前に手紙をもらいました。3行だけですが、一時間かかったそうです。患者さんが手に持っている手紙を見て涙が出ました。私なんて何も手伝う事が出来なかったのに、こんなに頑張って書いて頂いて、一生忘れられません。また、患者さんを寝かせる時「今日も良く頑張りましたね。一日お疲れさまでした。おやすみなさい」と言った私に、患者さんが頭を撫でながらあなたもご苦労様と言っていただきとても暖かく感じました。

考え方、感じ方は人それぞれですから、すべての患者さんが、私のことを求めてくれるとは思っていません。しかし、少しでも多くの患者さん、そして先輩方、その他お世話になっている方々に認められるような存在になれるように頑張っていきたいと感じています。今、患者さんやスタッフの方々からサンキューカードや手紙を頂いて、あなたが居て、助かったとか、ありがとうと言って頂く時、自分が人の力になっている事を感じて本当に嬉しいです。

日本に来た頃、日本語も上手くないので、1人で日本にいることがとても不安でしたが、よいご縁がありこのようにありがたいと感じることが出来るようになったことで、不安な気持ちが消えていきました。3年経って4年目に入っている私は自分ならどんな介助して欲しいのかを考えながら、頑張って患者さんの介護をすることで仕事のやりがいになっています。