仕事のやりがい
花が咲き、花開く
けやきに来てすぐに90台女性の方を令和元年11月より担当しています。若い頃から活発であり、華道、ファッションデザイナー、経営者としてご活躍されていました。
しかしながら関節リウマチを始め、気管支喘息、両膝関節症を発症。その傍らで要介護状態のご主人を献身的に最期まで看取られました。ご本人は次第に体力、気力をそがれ、コロナ禍の最中、ついに寝たきり状態にまで落ち込む状況になってしまいました。また他事業所のデイサービスを利用していましたが、デイに通う気力もなくなり、デイも終了となりました。ただ一方で、「人とお話するのが大好き」という一点でけやきの訪問看護のリハビリだけは受け続けられました。ほとんど会話だけで終わる日もある中で、「お花造り」だけは欠かさず同居の長女さんと行い続けていること、それが今のいきがいであることを訪問のセラピストから伺うことが出来ました。私達けやきのケアチームでできることはないか、とリハビリ担当者と話し合い、プランに「生け花造りのリハビリ」を導入することになりました。すると、たちまち「昔取った杵柄」か、手際が「華道の先生」となり、15分ほどで完成。遠方のお孫さんの協力も得てユーチューブで公開するなど、すっかり元気を取り戻しました。その姿に改めて「生きがい」という輝きの1日を提供することの大切さを学びました。
今では「いつかまた銀座でみんなとわいわいしたい」という意欲も聞かれるようになりました。ご家族からも「けやきに任せて良かった」「本当にありがとうございます」と感謝の言葉をいただき、この仕事を、けやきでやっていて本当に良かったと思います。これからもけやきの皆の力を借りながら、親身な対応を心掛け、ご利用者の「生きがい」という花を咲かせられるよう支えていきたいと思います。