介護福祉士・生活相談員として働かせて頂いております。
入職して初めての冬、A様というご利用者と出会いました。その方は認知症・うつ病を患っており、当初はデイサービスにいること自体に混乱されていました。何とかA様にデイサービスでの生活を楽しんで頂きたく、色々な情報を集めコミュニケーションの中に盛り込みました。英語圏で生活された事があるので、英単語を会話の中に入れてみたり、カラオケにお誘いしたりしました。「自宅で机に向かう機会があれば…」とのご家族様からの声に応えて、50音の言葉集めのカードをお渡ししました。これが効果覿面で、A様は劇的に変わっていかれました。笑顔・会話も増えてリハビリにも積極的に参加されるようになりました。

ある日、ご家族とお会いする機会があり、直接お話をする事ができました。その場面で「ありがとうございます」と御礼を言われた時に、ジンと胸に響くものがありました。ご家族から、今は楽しくデイサービスに通われている事、ご利用日の前日に着ていく服を選び枕元に置いている事、帰宅後に今日一日の楽しかった出来事を話される事、表情が豊かになった事、私たちが見る事の出来ないご自宅でのご様子を詳細に教えて下さいました。

誰かの役に立てたら…そんな気持ちで私は介護職に就きました。この時程やりがいを感じた事はありません。この「ありがとう」は私の宝物です。