私が初めて居室を担当させて頂いたY様は、自分のことは自分で、身の回りのものは他人に触れられたくない、と強いプライドを持って生活されているご利用者でした。声掛けをしても顔を背けられることも、気を利かせたつもりも、無用な配慮だとお叱りを受けることも何度とありました。Y様への接し方に悩みながらも、挨拶をかかさず、笑顔を絶やさず、叱られた時には丁寧に謝罪し、お手伝いが必要なことはないか伺いました。そんな日々が続き、少しづつY様から声をかけて頂けるようになり、不満や心配事も話して頂けるようになりました。連休明けのある日、ご挨拶に伺うと「やっとあなたの声が聞けたよ！」と笑顔で迎え入れて頂いたことがありました。待っていて下さったと知り、とても嬉しかったです。Y様との交流が深まるたびに、介護職としてのやりがいも増していき、Y様のおかげで成長の場を頂いたと感謝しております。